狼くんと子猫ちゃん




あ、と。



草むらから捜していた本人が顔を出す。



あっちも気づいたみたいで、同時に声を漏らした。





「…美加。」



「空、私…」



「おい、小春はどこだ。」




狼狽える美加を気にするでもなく、陣内は容赦なく美加に問い詰めた。




「私は何も、してない。」



「どこだ。」



「私はっ…」




なんでそんな辛い表情をするんだよ。



まるで猫がやばいみたいな、さ。





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