狼くんと子猫ちゃん
「そういえば、さっきなんか言おうとした?」
健吾の話も途中だったよ。
「あー、言う気力失くしたからいいや。また今度。」
「…ほんとに?」
じゃあなんで目逸らしてるの。
それが嘘だってことくらい私にも分かるのに。
「ほんと、ほんと。ほら、もう夕飯の時間じゃね?」
「んー、ママ嫌ー」
「ご飯は食べに来いって言ってたぞ。」
「じゃあ、行く。」
「よしよし。」
最後にもう癖なのか私の頭を撫でて、健吾は階段を下りていった。