狼くんと子猫ちゃん
――…それからまたしばらく経った頃
誰かが中庭に大きな足音をたてて走ってきた。
どうやらその誰かっていうのは、陣内らしく。
キョロキョロと誰かを探していた。
…あぁ、萩原を探してんのか
あの探しようを見ると、知らされてなかったみてーだな。
ご愁傷様。
それより――なんであんなに息を切らしてまで焦る?
よっぽど探し回ってたのか…
それとも、よっぽど大切な奴なのか。
まぁ、そんなことどーでもいいけどなっ