狼くんと子猫ちゃん
「え、と…誰?」
「昨日おんぶしてやったじゃん。覚えてない?」
「んー…」
おいおい…
俺、女子に忘れられるタイプじゃないんだけど。
一度見たら、みんな覚えてくれるぜ?
猫にそんな俺の中での常識は通用しないみたいだ。
てか、猫の場合興味ないだけかも…
「わかんない…。」
「ははっ、まぁいいや。授業サボリに行かない?」
俺の目的を果たさなければ。
それだけしか頭に無い。
「むー…健吾……サボりたいけど…」
なのに、また″陣内″かよ。
こいつから陣内という言葉が出てくる度にイライラする。