狼くんと子猫ちゃん
「けん、ご…?…――んっ」
話しかけても反応なくて。上を向いたらあったかいものが唇にあたった。
最初は軽く触れて。
離れたと思ったら、深く重なった。
く、くるしい…
頭押さえつけられて息つく間もなくて必死にしがみつく。
ぼーっとしてきたとき、やっと体が離れた。
健吾は何も言わなくて、ただただ私を見る。
「……健吾?」
「あー…やっぱあれだ。ムリだ。ずっとキスしてたい。」
頭をがしがし掻いてまた抱きしめられて健吾はまた繰り返した。