狼くんと子猫ちゃん
キーンコーン――…カーンコーン――…
「おーし、席着けー」
「次、LHRだって。小春、教室入ろ。」
「はぁーい。」
なにやるんだろーって、期待でいっぱい。
萌ちゃんに手を引かれ、スカートの埃が払われる。
「萌ちゃんママみたいー」
「…陣内くんほどでもないけどね。」
わくわくしながら席に着くと隣の健吾と目が合った。
「…健吾?」
…なんでそんなに悲しそうなの?
すぐに健吾は私から目を逸らした。