TIME!


「……大丈夫ですか?」

1人で喜怒哀楽してるあたしを見て鵺は心配そうな顔をした。

「……もう鵺のバカ」


鵺だってきっと心の中では、男1人の為に過去に戻ったあたしをバカだと思ってるんでしょ?

でもあたしは抑えきれないほど武宏が好きで……なのに、もう願いは叶わないんだ……


……鵺があんなモノ売らなかったら、こんなに苦しい思いをしなくて良かったのに。


「あの、」

「……ごめん。先に寝るね」


ここにいたら鵺に八つ当たりしてしまいそうだ。

そんな思考をする頭に嫌気がさす。

鵺は何も悪くない。

それでも鵺に対してのムカムカする気持ちは治まらなかった。


八つ当たりだけじゃなく、鵺が湊さんには敬語を使わないことも、あたしには子ども扱いすることも全てに腹が立った。


< 59 / 110 >

この作品をシェア

pagetop