TIME!
穂波の恋愛事情
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次の日、あたしは寝不足ながらもベッドから這い出した。
……感情が高ぶって全然寝付けなかった。
一晩経っても気持ちに余裕はなく、過去でも時間は刻々と進む。
……あたしも進まないと。
のそのそと髪を梳かして、暖炉のある部屋に向かった。
「………」
暖炉の火はとっくの間に消えていて少し肌寒い。
小さめのソファをみると毛布にくるまった鵺が目に止まった。
あ……あたしがベッド使っちゃったから、こんなとこで寝てたんだ……
鵺の顔を覗きこむとすっかり寝息を立てている。
眼鏡のない鵺の顔はいつもと違う印象で、少しだけ緊張とした。
「鵺、ねえ鵺」
声をかけたら鵺はすぐさま目を開け、弾むくらいの勢いのまま飛び起きる。
そして警戒してるかのようにあたしの顔を鋭く睨んだ。
鵺のきつい眼光に身体がびくりと跳ね、怯む。
ど、どうしたの……?