しゃぼん玉。
…どれくらい寝たんだろう。
でも周りはまだ暗かった。

「まだ……夜?」

「朝だ。」

もう何処かに行ったと思ってた。

「私…、逢いたくないって言った。」

「言ってたね。」

「何でいるの?」

「いたいから。」

私はそれ以上、何も話さなかった。
いつまでも同じ体勢はしんどいと思って、横を向いてみた。

「あれ…?」

痛くない。
起き上がるのもしんどくない。

でも一番違和感を感じたのは…




「ここ……、何処?」

ふかふかの布団。
腰までの水がなくなってて、檻の中でもない。

「俺のベッド
ふかふかだろ?」

「出ていく。」

私が立とうと思った時、あることを思い出した。

「ねぇ、何か長い布貸して。」

そう言って私は、今まで胸に巻いていた布を外した。

「……布?
服とか結構種類あるけど。」

その言葉に少し趣味を疑った。
今のところ、この建物にこの人以外の気配がしない。
……なんで女物の服が?

「……チューブトップ。」

「ん?」

「チューブトップがいい。」

「りょーかい。
ちょっとそこの引き出し開けてみ。」

……意味が分からない。
私が言おうとしていたことが、最初から分かってた?

変な人だと思いながらも、半信半疑でベッドの横にあるチェストの一番上を開けてみた。
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