しゃぼん玉。

過ぎゆく〝トキ〟。

ミルは海の遥か先を見つめながら、魔女に会った日を思い出していた。

「私ね、あいつに拾われたの。」

「……。
陸、あっちで遊んでこい。」

なんとなく…、気を遣ってくれたのかなと思った。
でも、あいつは言ってた。












――……〝ニンゲン〟に近付いてはダメだ。
…だが、もしもだ。
いいか?
〝もしも〟だからなっ!
もし〝ニンゲン〟に会ったなら、奴らの言葉を信じるな。
その時にお前が信じなければいけないのは〝オレ〟だ。
分かったな?……――













ねぇ…。
貴方は私に嘘をついたことはないけど、私に隠してることがあるでしょう?
私ね、騙されてもいい。
だって、騙されても私には貴方がいてくれるでしょう?
ねぇ……
淋しがりな私だけの魔女…。
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