狼と赤ずきん
男はそんな赤ずきんを見て、口に手を当てながらクスクスと笑っていた。

それを聞いてしまった赤ずきんはもう涙目状態になっていた。

「うぅ~……」

思わず出た赤ずきんの声に気付いた男は、先刻の赤ずきんより慌てながら赤ずきんにもう一度話し掛けた。

「ゴメン、ゴメンネ?だって君があまりにも可愛かったから…。顔と頭巾が一体化してるみたいだったし……ははっ」

思い出したのか、男はまた笑いだした。

それを見た赤ずきんは頭に少し血がのぼって男に向かって文句を言った。

「あ…謝ってるの!?」

「あっ…ゴメン…」

「…もう………ふふっ。なんだか…もう馬鹿馬鹿しくなっちゃった…」

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