狼と赤ずきん
「ヒヒヒッ!」

つい声を出して笑った。
嬉しい。

「赤ずきんと!お揃い!赤ずきんと!アハハッ!ヤッリィ!」

赤ずきんと同じな所があるだけでとてつもない優越感がある。

「あー…赤ずきん…!」

やっぱり思った通りだ。

「俺、赤ずきんの事好きだぁー。いや、大好きだぁー」

初めてだ。
人間を食料ではなく恋愛の対象として見たのは。

「赤ずきん…可愛い赤ずきん…。大好き赤ずきん!」

また会いたい。

そしてまた喋って

赤ずきんの笑顔見て

幸せになって

好きだって言いたい

「…ババァの見舞いに行くって言ってたな」

赤ずきんの言った言葉を思い出して狼は立ち上がった。

「じゃあ!その家に行けばまた会える!」

そうと分かれば、と狼はお祖母さんの家に走って行った。

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