狼と赤ずきん
第四章
赤ずきんは狼に言われた通りの道を進んで行った。

最初は楽しそうに走っていたのに、今は足取りが少し重い。

なぜなら赤ずきんは

少し後ろめたい、罪悪感があった。



寄り道を、している。



これはお母さんの言い付けを無視した事になってしまう。


でも、花を見たらお祖母さんはもっと元気になるかもしれないし。


なにより。


せっかく狼から教えてもらった情報を、無駄にする事なんて出来ない。


「オオカミさんはいい人だもの…」

あんな優しくていい人が教えてくれたんだ。


それを無視する事の方が赤ずきんにとって罪悪感が大きかった。


赤ずきんは気分を切り替えてまた元気よく走り出した。

狼の教えてくれた花畑に向かって。

< 47 / 49 >

この作品をシェア

pagetop