世界に二人
今の生活に不満があるわけじゃない。
けど、楽しいわけでもない。

簡単に死ぬことが分かってから
俺は他人を避けるようになった。

関わっているといなくなったとき
痛いから。

「ふぅ」

…いやなこと思い出しちまったな。
多分夢のせいだろう。あんな夢を見るから。

時間がなくなってきたので制服に
腕を通して居間に降りる。

「ばあちゃん~?」

言い忘れたが唯一の肉親は
母方の婆さんと爺さんだけだ。

父方のほうは俺が入学する前に
死んだ。
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