世界に二人

作者視点

かくして二人は出会った。
自分以外誰もいないと思っていた
この夢のような世界で。

「あ、あの!あなたは?」

美紀は声に出さずにはいられなかった。

「どうして…ここに…っ?」

美紀と寛太は校門の前で対峙している。
状況は飲み込めない寛太は自分の
頭をガシガシとかく。

「どうしてもなにも…俺には分からねぇよ」

確かにそうだろう。朝起きてみたら
自分以外は誰もいなかったのだ。

それが学校に行ってみると一人の女がいたのだ。
こんな状況で分かる奴がいるのだろうか?

美紀もどうしたらいいのか分からず
頭を抱える。

「わ、私!朝…起きたら一人で!」

自分ひとりだけじゃないと分かったから
緊張の糸が切れたのか嗚咽を繰り返しながら
美紀が喋る。

「…それで、学校…なら誰かいると思って!」

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