世界に二人
寛太はそういった後に続いて

「俺は、もう行くぞ」

「え?」

寛太は歩き出す。誰もいないこの町を。

「ちょ、ちょっと!待ってください!
私を一人にしないでください!」

「はぁ?知るか。見知らぬ女となんか
一緒にいれるかよ」

「見知らぬ女じゃない!わ、私は美紀!あなたは?」

「俺の話をちゃんと聴いてたか?
関わりたくないって言ってるだろ?」

それでも美紀は続ける。

「あなたは誰?ねぇ、誰?」

「あぁもううぜぇ。黙れや!!」

寛太は怒鳴る。いきなりの怒鳴り声にびっくりしたのか
美紀は小さくなっている。

「うぅ…」

「…寛太」

「…え?」

「寛太だって言ってるだろ」



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