世界に二人

美紀視点

一人だと思ってた。
だけど校門の前に一人の人がいた。

学校でたまにみたことのある
一つ上の先輩。

いつも一人で周りとは一切関わらず
学校と家を行き来しているだけの人。

と私は友達に聞いていた。

(この人、話の通りの人だな)

校門の前での出来事を思い返して
私はそう思った。いまだって必要以上の
会話はない。

何か喋ろうと思って話かけてみたが
うるさいと言われるだけだった。

(本当に冷たい人だよな。…友達に教えてあげなきゃ)

だけど、今は教えてあげたい友達も一人もいない。
この世界にいるのは私と寛太さんだけ。

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