white*story
それから、ママと一緒に、
整形外科の先生が来た。
「楓、あなたを
担当してくださる、
北里結人(キタザトユウト)
先生よ。」ママが
先生を紹介し、
先生も
「はじめまして。
整形外科の骨・
軟骨腫瘍専門医で、
北条さんの担当医に
なりました、
北里結人です。
これから、
よろしくね。」
と、にっこり
微笑んでくれた。
「あ、北条楓です。
よろしく
お願いします!」
あたしもあわてて、
ぺこりと頭をさげる。

「早速だけど、
北条さんの病気の
説明していいかな?
心の準備、できてる?」
先生が優しく
微笑みながら、
聞いてくれる。
「はい!説明、
聞きたいです。
ばっちこいです!」
あたしが、力強く
そう言うと、
先生はくすっと
笑った後、
「ばっちこいか。
北条さんは強いんだね。
じゃぁ、説明始めるね」
といって、
説明してくれた。

あたしの右膝の骨に
腫瘍が見られること。
その腫瘍のせいで、
骨が破壊されてること。
その腫瘍は、
明日の手術の
結果をみないと、
ちゃんと診断は
できないけど、
十中八九、悪性の
腫瘍だということ。
もし、本当に
悪性の腫瘍だったら、
放射線照射や
抗ガン剤での
化学療法が
必要になってくること。
場合によっては、
膝上から切断しなければ
ならないこと。
切断までいかなくても、
必ず、手術で腫瘍が
できている部分を切除、
人工関節をいれなければ
ならないこと。

特に化学療法は、
すごく辛い治療になり、
副作用の骨髄抑制が
強く出た場合は、
無菌室に入らなければ
ならないかも
しれないこと。

化学療法により、
将来、妊娠が
難しくなるかも
しれないということ。

「…北条さん、
大丈夫かな?」
先生が、心配そうに
あたしを見る。

「だ、大丈夫です!
あたし、
頑張りますから!」
あたしは、むんっと
腕に力を入れ、
がんばるぞ!!
という意思を
態度で示した。


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