white*story
しばらくして、
おばちゃんと
北里先生が、
仕事に戻っていき、
ママと二人きりになった。

「ママ、北里先生と
お知り合い?」
あたしは、意を決して、
そう聞いてみた。
「ん?そうね、
知り合いっていえば、
知り合いになるわね。
結人くんが、まだ
中学生の頃かな。
結人くんの弟の
和人くんは、
私の担当患者さん
だったの。」
ママは、懐かしそうに
話してくれた。

「ママ、北里先生の
弟さんは、今は元気?」

あたしが、
そう聞くと、

「ええ、もちろん。
和人くんは、今、
私の下で、
研修してるもの。」
と、ママは嬉しそうに
微笑んだ。

「わ、お医者さんなの?
すごいね、ママ!」

あたしも、そう言うと、

「ふふ、そうね。
和人くんは、すごく
治療頑張ったし、
今も、研修頑張ってる。
だから楓も、
治療頑張るのよ?」

ママは、そう言って、
優しく、あたしの
頭を撫でた。

「うん!あたし、
頑張るね!
頑張って、早く
退院したいな~。
退院したら、真っ先に
今日食べ損なった、
ケーキ食べる!」

「ま。今日、入院した
ばかりなのに、
気が早いわね、楓は。
そういうトコ、
桜と一緒ね。
さすが、双子ね」

ママが、くすくすっと
笑ってるのを見て、

あたしは、
なにがなんでも、
治療頑張って、早く、
退院しようと決意した。
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