white*story
「おはよう、桜、楓。
…桜、また
無理したな。」

さくちゃんの主治医は、
実はママの姉の息子。
いわゆる従兄弟。
現在30歳。
子ども病院で、
心臓循環器科の
医師をしている。

「おはよう、
佑(たすく)にぃ。
あたしが悪いの。
さくちゃんに
熱あるの知ってて、
ママに報告
しなかったから。」
あたしが、うつむき、
そういうと、
さくちゃんが、
「かえちゃんは
悪くないよ!
あたしが、
どうしてもって
わがままを言ったの。
ごめんなさい、
佑にぃ。」と、
あわてて言う。

佑にぃは、ふぅと
ため息をつき、
「わかったよ。
どーでもいいけど、
おまえら!病院では、
先生って呼べって
言ってるだろーが!!
桜、検査行くぞ。
楓は、学校に戻れ。
桜なら、大丈夫だ。」
と怒ったような
口調で言った。
でも、顔は全く
怒っていなかった。

「ありがとう、
長谷川先生っ!
じゃぁ、学校戻るね。
さくちゃん、
お大事にね!
学校終わって、
さくちゃんが
家にいなかったら、
また来るからね!!
長谷川先生、
さくちゃんを
お願いします!!
それと…学校までの
タクシー代
ちょうだいっっ!」

「おま…、楓は、
本当にちゃっかり
してんなぁ…。
はい。タクシー代。
気をつけて戻れよ。
桜のことは任せとけ!」

「かえちゃん、
ありがとね。」

その後、あたしは
学校で授業を受け、
家に帰ると、
案の定、さくちゃんは
家におらず、
いつもセットされてる
入院セットを持って、
病院にむかった。


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