white*story
病院に着き、
桜の病室を
教えてもらい、
病室にむかうと、
パパとママも来ていた。

「あっ、かえちゃん!
おかえりって、変かな。
今朝はごめんね…??」
さくちゃんが、
上半身を起こし、
私の方を見た。

「いいの、あたしも
悪いんだから。
入院セット、
持ってきたよ。」
あたしが、入院セットを
入れてる鞄を見せると、
さくちゃんは、
一瞬悲しい顔をして、
「ありがとう…。はー、
また入院なんて、
ついてないな」
と、呟いた。

するとママが、
「桜は自業自得でしょ。
無理するからよ。
楓、ありがとう。
でも、熱があること、
ママに報告
しなかったのは、
ほめられたこと
じゃないよね。
これからは、ちゃんと
ママに報告してよ??」
と、にこっと微笑んだ。

ママもパパも、
この子ども病院で
働いている。
ママは、小児外科の
医師で、パパは、
PICUの医師。
ちなみに、佑にぃの
お母さん、
あたしたちの
おばちゃんも、
この病院で、
麻酔科医として
働いている。

そう。あたしの
家族・親戚は、
ほとんど医師ってゆー
家系なのだ。

でも、このとき。
誰も気づいて
いなかった。
否、
気付けなかったのだ。
あたしの異変に。

あたし自身ですら…。
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