伝えておけばよかった(短編)
「遼、行こう」



 芽生がレジ袋片手にいう。

 ひゅうと、冷やかすような口笛の音が聞こえた。



 こりゃ、明日が怖いな。学校でなにをいわれることか・・・。



 外にでて、夜風に吹かれながら、公園に到着。

 街灯がついていて暗くはないが、人気はない。

 芽生は袋からおれの分の缶コーヒーを取り出して渡してから、ベンチに座った。

 うつむいて、ペットボトルを握り締めている芽生。

 そばに自転車を止めて、おれもベンチに座った。


 
「のまないわけ?」



 缶をあけながら、聞く。



「ん・・・」



 それでも飲もうとはしない。


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