伝えておけばよかった(短編)
5
三月の終わり。
芽生たち家族は転勤していった。
ここよりも、ずっと都会へ。
あれから芽生とは話す事もあったけど、キスしたことや告白の話はしなかった。
故意にさけていたわけではないけど。
他愛のない話をするだけだった。
「またね」
「うん」
携帯のメアドを交換して、自然と手を伸ばして、つないだ手を離したくはなかった。
でも、そんなことはできなくて・・・。
芽生はいってしまった。
空き室になった部屋の前を通るとき、ふいに芽生が顔をだすんじゃなかっておもうことがある。
そんなことは、もちろん、ないんだけど。
見慣れた景色に、いつもいたはずの、芽生がいない。
いなくなってから、鮮やかに、くっきりとおれの気持ちは浮かび上がってきた。
おれも、芽生が好きだ・・・と。
芽生たち家族は転勤していった。
ここよりも、ずっと都会へ。
あれから芽生とは話す事もあったけど、キスしたことや告白の話はしなかった。
故意にさけていたわけではないけど。
他愛のない話をするだけだった。
「またね」
「うん」
携帯のメアドを交換して、自然と手を伸ばして、つないだ手を離したくはなかった。
でも、そんなことはできなくて・・・。
芽生はいってしまった。
空き室になった部屋の前を通るとき、ふいに芽生が顔をだすんじゃなかっておもうことがある。
そんなことは、もちろん、ないんだけど。
見慣れた景色に、いつもいたはずの、芽生がいない。
いなくなってから、鮮やかに、くっきりとおれの気持ちは浮かび上がってきた。
おれも、芽生が好きだ・・・と。