笑えないお姫様─笑顔を取り戻して─
「あ、来た来た! さ、食べましょ。」
あたしは案内された場所に座った。
「たくさん食べてね。」
「はいっ。」
あたし達は食べながら、いろいろな話
をした。
「里村さん治療は・・・・」
「まだ続けています。 効果はないかも
知れませんが・・。」
「そうか。」
「病院には?」
「・・・行っていません。
両親は行ってほしいみたいなんですけど・・。
どうしても行けないんです。」
「どうして?」
「おい、もういいだろ。 雅、無理に
話さなくていいから。」
「大丈夫。これは大事なことだと思うから。」
空とこれから付き合っていく上で
後遺症のことは、理解してもらわなきゃ
いけないと思う。