笑えないお姫様─笑顔を取り戻して─
・・・────────
「たっだいま~。」
「・・・ただいま。」
途中からは歩いて帰ってきた。
走るのに疲れたっていうのもあるけど
走ってまで早く帰ってきたっていう
事が嫌だったの。
ママたちの言いなり・・・みたいな。
「早かったわね。」
早く帰ってこいって言ったのそっちじゃん!
そう言いたかったけど、あたしの気持ちを
読んだかのように、舜が手を握ってきたから
飲み込んだ。