恋愛LEVEL


ある日。

[千秋!わるい!しばらく朝電車一本遅らせるから朝会えないわ!ゴメンな!]

と雷太から。


朝はギリギリまで寝ていたいって人だから、あたしは気にしなかった。

[わかった!]



そのMailが来てから。

いつも雷太のMailの最後にある[千秋!好きだよ]って言葉がなくなった。


−−−−−−−


「千秋♪購買いこ!」

ユリがお弁当持ってあたしの前に来た。

「うん!」


「そいやぁ、最近雷太とどう?」

ユリがニヤニヤしながら聞いてくる。

「何も変わらないよ?昔に比べたら会える時間も回数も減ったけど…」

「そっか…。…で。ヤッた?」

「んえ゛?!」

まさかユリな口から「ヤッた?」なんて聞くとは思わなかったから驚いた。

「ね?ヤッちゃった?」

ユリはあたしの顔をマジマジ見て聞いてくる。

「…う…ん。」
あたしは小さく頷いた。

「いついつ?どこで?どうだった?!」

ユリ…目が輝いてるし。


「にゅ、入学式の前に…雷太ん家で…」


「まぁぁぁぁじ!?だからかぁ♪なんか大人っぽくなってたもんね!!」

「そ、そっかなぁ…ユリは?どうなの?」

「あたしは…まだ。太一と頑張ってるんだけど…なんか怖くて…」

ユリは照れながら言った。

「そっかぁ!千秋は脱処女かぁ…」

「こ、声デカイってば!」

「ゴメ〜〜ン」

ユリは手で口をおさえた。


「誰が脱処女?」


背後から声がする…

振り返るとやっぱり中嶋先輩…とリョウ先輩。


はぁぁぁ…またか…。

「ちあきん〇ま、処女じゃないのかぁ!!奏残念!」

「あ…あの。その呼び方やめてください…」

「えぇ?!いいじゃん!呼びやすいし♪」

そういう問題じゃないんだけどなぁ…


「リョウは黙れっ!千秋!今日帰り一緒に帰ろうぜ!絶対だぞ!」

「はぃぃ?!」


中嶋先輩は後ろ向きに歩きながら、あたしを指差して言った。

「絶対だぞ?逃げんなよ?」


「ユリ…」

「ん?」

「早退したい…」

「ゴメン。頑張って…しか言えない…」

< 17 / 104 >

この作品をシェア

pagetop