恋愛LEVEL


雷太が部屋に戻る。

「はい千秋!」

あたしにアイスティーを渡してくれた。

「ありがと…」

やたらと喉が渇いていた。


「千秋…」

「ん?」

「首…ゴメンな…つい…」

あ…忘れてた。

鏡を覗くと首筋の目立つ場所にに赤い印が3ヶ所あった。

「あ…」

「ゴメンっ!なんか俺…アイツ見てからイライラしちゃって…」

「ううん。いいよ!あたしは雷太のモノって感じがして嬉しいよ」

「千秋…」


雷太は力強く抱きしめてくれた。


「ねぇ雷太?土曜日なんだけど…」

「あぁ!ゴメン!土曜日、学校のツレと買い物行く事になってて」

雷太は顔の前でパチンと手をあわせた。


学校のツレって…男の子だよね?

聞きたいけど怖くて聞けないよ…

「わかった!じゃぁ、日曜日は会えるよね?」

「もちろん♪日曜日の事はまた連絡するし!」

「うん!待ってるね!じゃぁそろそろ帰るね」

「送ってくわ!」

「あぁ…今日はいいや。ユリの家寄りたいからさ!」

「そかっ!んじゃ家着いたらMailしろよ?」

「うん!」


−−−−−−−

雷太のお母さんに挨拶してから玄関を出た。

ユリの家なんか寄らないんだけど…
なんとなく一人になりたくて。


雷太…


今頃、奈々って人にMailしてたりする?
電話してたりする?


やっぱり…送ってもらお…

そう思って携帯を取り出して雷太に電話する。


一度もコールせずに雷太が出た。


「どした?!」

いつもの雷太の声。

「やっぱり家まで送って…」

「おぅ!わかった!今から出るから」


雷太。
コールする前に電話に出るなんて…
携帯触ってたってバレバレじゃん。
相手は奈々?
あたし?

なにこの不安な気持ち…
「千秋!」

雷太はいつもの笑顔であたしの側に来た。

「ユリん家はいいの?」

「ん。明日にするから」

「そかっ。」

雷太はあたしの手を掴んでくれた。


「ねぇ雷太…好き?」

雷太はニカッと笑って言った。



「好きだよ、千秋」



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