恋愛LEVEL

昼休み。


あたしは言われた通り、音楽室に向かった。


ガラガラ…

あれ?中嶋先輩…は?

音楽室を見渡す。

…いた。

陽の当たる窓側の壁にもたれて座って…


「中嶋…先輩?」

「…スースー…」

ね、寝てる…。


あたしはしゃがんで先輩の顔の高さに目線を合わせた。

こうして見てみると…ホントに綺麗な顔してるんだなぁ。

長い睫毛…
鼻筋も通って…
肌も綺麗…


…ってあたし何考えてるんだか。
さぁて帰ろ…


「そんなに俺の顔好き?」

ビクッ!!

「先輩…!!」

「4限サボってたら寝ちゃったわ」

「…てか…ソレ…」

「っあ!」

先輩があたしの赤い印に触れる。

咄嗟にあたしは後退して隠した。

「へぇ〜♪俺への宣戦布告かぁ♪」

「……」

「ガキ…だな。」

「え?」

「女の子にそんな事しちゃうようじゃダメだ。」

先輩は立ち上がって、あたしの目の前まで寄ってきた。

「俺だったらそんな事しないけどね♪」

そう言ってあたしの頭をガシガシした。

「千秋、今日も一緒に帰ろうぜ♪また迎えに行くから」

そう言って先輩は音楽室を出て行った。

「あ、あの…」


あたしは何も言えなかった。



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