恋愛LEVEL
買い物に行くには時間が早過ぎるって事で、あたしは先輩の家にお邪魔する事になった。
ガチャっ
「ど〜ぞ♪」
「お邪魔します…」
「適当に座って!コーヒーいれるから…」
「は…い」
あたしは落ち着かないのもあってキョロキョロしてしまう。
先輩の部屋は一人暮らしにしては広すぎるくらいで、物がほとんどない殺風景な部屋。
家具はモノトーンで統一してあって、先輩らしいっちゃ先輩らしい。
「ほら。砂糖とミルクは自分でやって」
いつの間にか私服に着替えた先輩がマグカップを持ってきてくれた。
「い、いただきます…」
あたしはフワフワなラグの上にペタンと座ってコーヒーを一口飲んだ。
先輩はあたしの後ろのソファーに腰かける。
「…で彼氏とはどうなった?」
「…フラれちゃいました」
「彼氏と話はしたの?」
「はい…少しですけど」
「別れるって?」
「…ん…別れるって言葉は出してないんですけど、もうやっていけないって確信しちゃいました。でも…まだどこかで期待しちゃってるんですけどね」
「なるほどね…」
「この間、日曜日の約束したんです。で、土曜日に時間とかの連絡するからって言われてて。その連絡がなかったら…もうダメだって…諦めようと思って…」
「そっか…」
「…はい。先輩、なんかいろいろありがとうございます。」
「俺なんか別に何もしてないし。寧ろ、別れてくれたらラッキー♪みたいな」
「もぉっ!!」
ホント、今回は先輩に助けてもらったな…
「…先輩は彼女いないんですか?」
「ん〜。よく考えてよ。いたら、女の子を部屋にあげたりしないでしょ?」
「あ…そっか…」
「まぁ…つい最近までいたんだけどね。」
「年上?」
「もちろん♪」
「いくつの人だったんですか?」
「今…22かな」
「大人…だ…」
「俺と5つしか違わないじゃん♪…でもその人は、大人過ぎて俺には無理だった…かな」
先輩はその人を思い出して懐かしそうに笑った。