恋愛LEVEL

「よし!プリクラ撮ろうぜ♪」

「えっ?!」


そのままあたしはプリクラコーナーに引きずりこまれた。

先輩はお金を入れると背景やフレームをパッパッと選んでいく。

「…慣れてますね」

「ん?あんまプリクラ撮らない?」

「いや…めちゃめちゃ撮りますけど…」

「はい♪撮るよ♪」


あたしはグイッと肩を抱かれて引き寄せられた。


シャッター音がする度に先輩があたしの向きを変えたり、あたしに抱きついたりする。


あたしは何がなんだかわからないままモニターを見つめた。


「千秋!照れすぎでしょ!」

落書きコーナーで先輩が笑う。

「だって…」


「あ!出てきた!」

先輩はプリントされたプリクラを見てうんうんと頷いた。

「はい、千秋」

あたしは渡されたプリクラを見た。


肩を抱かれて俯くあたしと意地悪そうに笑う先輩、後ろから抱きしめられてるヤツ、あたしのほっぺにキスしてるヤツ…


「これっ!えっ?!」

ほっぺにキスなんて…記憶にない…

「千秋、放心状態だったから♪」

書かれた文字に目をやると、そこには[もうすぐ彼女][千秋LOVE][奏LOVE]と書かれていた。

「ちょっとコレっ!!」


先輩は真っ赤になる私を見て、

「千秋は可愛いやっちゃな♪」

と、あたしの頭をガシガシした。


あたしは乱れた髪の毛を直しながら、

「もぉっ!!」


と先輩の胸に軽くパンチした。


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