恋愛LEVEL
気が付けばもう夕方だった。
あたしたちは、あたしの学校のバッグを取りに先輩の家に向かった。
「今日はホントにありがとうございました!服まで買っていただいて…」
「いいよ×2気にすんな♪誘ったのは俺だから」
「…とても楽しかったです!」
あたしは先輩に笑って言った。
「また行こうな♪」
「はい!!」
−−−−−−−
先輩の家についてから、コーヒーをいれてもらった。
すぐに帰ればいいんだろうけど、なんとなくまだ帰りたくなくて。
先輩は部屋着に着替えにリビングを出た。
あたしはコーヒーを飲みながら、また部屋をグルっと見回す。
テレビの横のガラスの扉がついた棚に本が並んでいる。
どんな本なのか気になって、あたしは棚に近付いた。
あたしの好きな作家の小説がズラっと並んでいる。
違う段には野球の雑誌と本。
その雑誌の前には写真たてが…
野球のユニホームを着た先輩と女の人…二人の間には可愛い赤ちゃんが写った写真。
これ…最近じゃないかな…?
写真の先輩と今の先輩と変わらないし。
この女の人…綺麗だなぁ。
目が大きくてキリっとしてるんだけど、なんというか雰囲気が優しい感じ。
髪の毛をアップにして高い位置でふわっとおだんごみたいにしてる。
大きめのピアスが嫌味じゃない…
この女の人が先輩の元カノかな?
じゃぁこの赤ちゃんは?
もしかして…先輩の?
「コラ。何勝手に見てんの?」
「…あ…ごめんなさい」
「別に見てダメなモノはないけど…」
「あ…あたし、もう帰ります!」
あたし、動揺してるのバレバレじゃん。
「もう帰るの?送ってこか」
「あ!いいです×2!一人で帰れますから!」
「遠慮しないの♪」
−♪♪♪♪♪♪♪−
「あ…電話」
あたしの携帯だ…
マナーにするの忘れてたんだ…
あたしは携帯を取り出して見た。
「雷太…」
先輩がピクっと反応した。
あたしは出ようか迷った。
それを察知したのか先輩は一言。
「出れば?」
あたしは携帯を持って外に出ようとした。