恋愛LEVEL

土曜日。

今日は暑くなりそ…
もうすぐ夏…だもんなぁ。

髪を左から右に緩く編みこんで買ったばかりのシュシュで留める。
とれかけたパーマのおかげでいい感じ♪
カンカン帽をバランスよく被せる。
服は、いろいろ悩んだあげく、薄手の黒いサマーニットにデニムのショーパン、ふくらはぎまであるグラディエーターを選んだ。


そして。
あたしは学校に行く時間と同じ時間に家を出る。


一応Mailしとこ。
[今から向かうね!]

よし!と携帯を閉じようとした時に携帯がバイブした。

[ほぉ〜い!気をつけて♪]

返信はやっ!!
それだけで顔がにやけちゃう。



駅に着いて…

思い出す…


今日。
雷太は奈々って人と…


あぁ!ダメ×2!
あたしはギュッと目をつむった。


改札をくぐろうとした時、改札前で立っている人にハッと気付く。

ヒールの高いミュール、
スラッと細くて長い脚、
シフォンのミニワンピ、
デニムのミニ丈のJK。

茶色い髪をクルンクルンに巻いて…
バッチリなお化粧…

携帯を持つ手の指には長くて派手なネイル…

この間は制服だったけど、間違いない…

奈々…って人だ。


あたしは心臓がバクバクした。


その人の前を通り過ぎようとした時。

「あ。もしもし雷太?今改札着いたからね〜」

こんな甘い声で雷太と話すの?


耳塞げばよかった。


そのまま奈々の前を通り過ぎると、今度は鼻にツンとくる香水の匂いがした。

「くっさ…」

思わず口から出てしまった。


鼻つまめばよかったかな。


改札を抜けて、あたしはおもいっきり深呼吸した。


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