恋愛LEVEL

駅ごとに地下鉄が停まるのがなんだかもどかしい…

早く乗り降りしてよ!
…なんて我が儘な事を考えちゃったり…。

あと一駅。

ドキドキする…


早く会いたい。

早く顔が見たい。


駅に着くと、あたしは地下鉄のドアが開くのと同時に飛び出した。

エスカレーターは使わないで、階段を駆け上がる。

早く、早く!!


改札を抜けて携帯を出す。

[今駅着いたよ!]

送信しようとしたら着信。

「あ!今着いたよ!!」

「プッ!知ってる」

「え?!」

「目の前」


あたしは携帯を耳にあてたまま、前を見た。

「おはよ♪」

ちょっと離れた柱にもたれて立って手を振る姿を見つけた。


あたしは携帯を持ったまま、先輩の元に走った。


そのまま先輩に抱きつくようにギュッとした。

「お、おはよ!」


「走って来たの?」

「…うん」

「そんなに俺に会いたかった?」

ニヤっと笑って言う先輩にあたしは言った。

「会いたかった…よ?」


「よし♪合格」


先輩はあたしの手を掴んで、指を絡めて歩き出した。


「千秋…」

「ん?」

先輩はチラっと左下のあたしを見る。

「お前、可愛いな♪」

「え?」

「改札出てきた時、みとれちった♪」

「あ、ありがとう」

「今、ものすご〜くキスしたいんだけど…?」

「えっ?!無理×2!こんな大通りだし!!」


そんなあたしの言葉なんて無視されて…


先輩はあたしの腰をギュッと寄せて

チュッとした。


「もぉぉぉ!!」

「また後でするからね♪」

先輩は嬉しそうに言った。
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