恋愛LEVEL
あたしたちは、散歩を兼ねて買い物に出掛けた。
雑貨屋で、お箸やマグカップ、食器を購入。
どうせならお揃いにしよう〜なんて事になって、奏のも買った。
日用品を買うなんて、なんだか同棲するみたいで…
ちょっとくすぐったい。
「あっ!」
奏が突然声をあげる。
「どしたの?急に」
「千秋の部屋着と歯ブラシも買っておこ!」
「!!!!」
「いつ泊まりに来てもいいように♪」
顔が熱くなるのがわかる。
一人暮らしの彼氏の家にお泊り…
そんなの大学生とか社会人とか…まだまだ先の事だと思ってた。
なんか…あたし…すごい。
「千秋ぃ…顔赤いけど。エロい事考えてるだろ?」
「ち、ちがうっ!!」
「ふぅ〜ん♪」
「…なんか、急に大人になった気がして…」
「なんだそれっ!」
「だって…」
お泊りとか…そんな経験した事ないんだもん…
「でもなんかわかるかも。寝る時に隣に彼女がいるとか…大人な感じするし」
「うん。」
「んじゃ。早速今日泊まってく?」
「…へ?!」
「…って冗談♪
まだ早いよな…千秋の親にも会ってからじゃないと。俺、こそこそしたくないし。」
「…奏…カッコイイ!!!!そういうのめちゃくちゃ嬉しい!!!」
「あたし、今からお母さんに奏の事話す!!」
そう言って携帯を取り出した。
「は?電話で話すのかよ?!」
「うん…ダメ?だった?」
奏はフッと笑ってあたしの携帯を掴んだ。
「千秋の家行こうか。今から彼氏連れて行きますって電話しとき!」
「うんっ!!」
あたしはすぐにお母さんに電話した。
「あ…もしもし?今から彼氏連れてくからお昼ご飯用意しといて!!」
お母さんは、《彼氏=雷太》だと思ってる…
「なにわざわざそんな電話して…いつもの事じゃないあまりモノしかないからね」
とだけ言って電話を切った。
ビックリするだろな…
想像しただけで笑えてきちゃう。
「奏、行こ!!」
あたしは奏の手をギュッと握って歩いた。