恋愛LEVEL


「ただいまぁ!!」


「おかえり〜」
リビングからお母さんの声がした。


「奏!入って×2!」

あたしは奏の手を引っ張る。

「お邪魔します」
奏は優しく笑った。



リビングのドアを開けて奏と中に入る。

あたしたちを見たお母さんは、今まで見た事ないような顔をした。

「はじめまして、中嶋です」
奏は真面目な様子で挨拶した。

なのに…お母さんは。

「千秋!!誰?!このイケメンは!?」

「彼氏だよ♪」

「彼氏…って…えぇ??」

お母さんはあたしの腕を引っ張ってリビングの端に連れてって小さい声で言った。

「彼氏…って、千秋、雷太は?」

「実はアイツ、浮気してて。別れたの。」

「浮気?!別れた?!
あぁ…だから最近来ないんだ…あぁ…なるほど…」


お母さんはそれからすぐに奏に満面の笑みで

「千秋の母です♪よろしくね♪」

と、声色変えて挨拶した。

あたしも奏も苦笑…


お昼ご飯は余りモノ…とか言ってたくせに、お寿司の出前を頼み、

彼女とデート中の中学生の弟、打ちっぱなしに出掛けてたお父さんを呼びつけて…


テンション上がりまくってた。


お父さんもお母さんも奏を気に入ってくれて、
一人暮らしの奏を気遣って、

「たまには夕飯食べにおいで♪」
って言ってくれた。


お父さんなんて、
「一人暮らしだと大変だろ?千秋も一緒に住んで、家事やらせればいい!」
とか、言い出すし。


「ただし、高校の間は子供作るなよ?」

「あら♪子供出来ても私が面倒みるから大丈夫よ♪」

「…孫かぁ…孫出来たら俺、仕事辞めようかな」

「もう♪お父さんったら」

あたしは両親の妄想癖に呆れていた…


「……奏…なんかごめんね…」

「あ…あぁ。問題ない…」



「…で。千秋、今日は奏君の家泊まるんだろ?」

「へ?!いいの?」

「どんどん泊まってこい!なんなら帰ってくるな!」

「「アハハハハハ」」

両親だけ大爆笑…



「って事で。千秋、今日家泊まりな♪」

奏はニヤっと笑った。
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