恋愛LEVEL

あたしはずっと奏に背中を向けていた。

キュッとシャワーを止める音がして、背中越しに奏が湯舟に入って来るのがわかる。


「いつまでそっち向いてんの」

「あたし、壁見ながらお風呂入るのが好きだから」

「へぇ〜そうなんだ」


「キャッ!」


奏は後ろからあたしのお腹に腕をまわして、
グイッと引き寄せた。


あたしの背中に奏の胸がくっつく。

「人肌っていいよね♪」

「…恥ずかしい…よ」

「実は俺も…。
だから顔見えないようにこのままで…」

「…うん」

と頷いた拍子にあたしは湯舟に顔を突っ込んでしまった。


「プッ…千秋、何してんの。天然過ぎるだろ!!」

「い、今のは…自分でもビックリだよ!!」

あたしは振り返って奏に向かって照れ笑いをした。


その瞬間。

奏の顔が近付いてきて、
一度軽く唇がくっついた。

それから、二度、三度…と軽いキス。


「千秋、可愛いな…」

「あ、ありがと…」

「それに…」



「…胸大きい…」


「…バカ」


「なぁ、千秋。悪いんだけど…」


「な、なに?」

「先に風呂出てくんない?」

あたしは軽く首を傾げて聞く。

「なんで?奏が先に出てよ!」


「…なんで?って。男の事情…ってヤツ」

そう言いながら、湯舟の中を指差した。




「ば、バカァァァァァァ!!!!」


あたしは、湯舟から飛び出した。


「おい×2、随分男らしい風呂の出方だなぁ。お前は、恥ずかしいのか恥ずかしくないのかわからん。」


「もぉ!!エロ奏!!変態!!」


「お〜!俺には誉め言葉に聞こえる♪」


あたしはそのままバスルームを出た。



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