恋愛LEVEL
二人並んでソファーに座り、テレビを見る。
大好きなお笑いの番組なんだけど、内容は全く頭に入って来ない。
あたしの神経は右半分にだけ集中していた。
奏はテレビを見ながらゲラケラ笑ってる。
…今日…もしかしたら…奏と…
うわぁ…どうしよ…緊張する…
落ち着け…落ち着け…
「千秋?」
あたしは急に名前を呼ばれて
「へ、へいっ!!」
なんて返事をした。
「お前なぁ…なんだよ、《へいっ!》って。」
「急に呼ぶからちょっとビックリしちゃって…」
「さては…お前やらしい事考えてただろ?」
「んなっ!そんな事ないし!」
「ホントかぁ?」
奏は悪戯っ子みたいな顔をしてあたしを見てくる。
「…ホント」
「…俺さ。多分。今日千秋に迫ると思う。てか、迫る。」
「へ?!」
「嫌なら嫌ってはっきり言えよ?」
あたしは俯く…
「……」
「そういうのはお互いの気持ちが大事だからな♪」
「……」
「わかった?」
恥ずかしいけど…
あたしの本音は…
「あ、あたしは…奏としたいよ?」
「……」
「……」
お互いに黙り込んだ。
奏はふぅ〜っと息を吐いてから言った。
「千秋!!今、また俺の中でムラムラと理性が闘ってるんだけど…」
「は、はい?」
「どっち応援する?」
「…り、理性…負けろ…かな。」
「了解。」
奏はソファーから立ち上がって、手を差し出した。
「おいで。」
あたしはその手をゆっくり掴んだ。