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「あ!長坂さん!」
その長坂さんという人は、色黒スポーツマンな感じのガッシリとした大学生風の人。
「偶然だなぁ♪元気か?」
「はい!みなさんは元気っすか?そろそろ大会も終盤っすね〜」
「おぅ!みんな元気だよ!奏が抜けてから鉄壁の二遊間が崩れちまってさぁ。」
「ハハハハ…でしょうね♪…なんて。」
…話の流れからすると…
長坂さんは、奏がいた野球チームの人…かな?
あたしは、奏と長坂さんの顔を交互に見た。
それに気付いた、長坂さんがあたしを見た。
「…彼女?」
「あ、はい。今半同棲中の彼女です。」
奏はあたしを紹介してくれた。
「こんにちは。」
あたしは、ペコッと頭を下げた。
長坂さんは、あたしに微笑んでから、
「奏よかったな!こんな可愛い彼女が出来て。
色々あったからな…お前…」
と言った。
…色々…?
この間、奏も言ってたよね。
色々あって…野球チームを辞めたって。
「あぁ…長坂さん、もうその話は…」
奏はバツが悪そうに言った。
「あ…わりぃ。そうだな。」
長坂さんは、チラっとあたしを見た。
やっぱり。
野球チームを辞めた理由…
あの写真の人が絡んでるんじゃないかな…
そんな予感がした。
長坂さんは、
「んじゃ、またたまにはグランドに顔出せよ?」
と言ってあたしたちと別れた。
ものすごく…
気持ち悪い。
知りたい事を知りかけてるのに、ハッキリとはわからない状態…
聞きたいけど、聞いたら絶対凹む。
俯いて考えていたら、奏が話し始めた。