恋愛LEVEL

「俺さ、同じ野球チームだった人の女に手出しちゃってさ。
誰にも気づかれないように付き合ってたんだけど…ばれちゃって。」


奏は一度あたしを横目でチラッと見て、また話を続けた。


「…で、居づらくなって辞めた…って訳。
まぁ…相手の男も辞めちゃったんだけどね。
実はさ、その男に他に女いたの知ってたんだ…俺。だから付き合ってたんだけど。
まぁ。結局、彼女はその男に戻ったし。ちゃんちゃん♪って感じ」



「……」



「彼女とはもう綺麗に終わってるから、心配すんな!」



「…うん。」



その彼女は、あの写真の人…だよね。


きっと、奏はあたしを気遣って、肝心な部分は話してない…と思う。


だから、あたしは余計な想像しちゃうんだよね。

あたしは今ものすごく不安な顔してるだろうなぁ。



「千秋?」


「…ん?」


「俺の彼女は誰?」


「あ…たし…です。」


「だろ?だから自信持て!俺はお前だけだから。」


そう言ってあたしの頭をガシガシした。



「もぉ!!髪の毛くちゃくちゃになっちゃう!」


「いいの×2♪千秋はどんなんでも可愛いから♪」




そうだ。

今あたしは奏の彼女なんだからっ!!!




「奏!早く帰ろ!!お腹空いたからご飯作らないと!」


あたしは奏の手を掴んで笑った。


「だな♪」




でも。

やっぱり、胸の奥は曇ったままだった。
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