恋愛LEVEL
ご飯もお風呂も済ませて、いつものようにソファーでイチャイチャしていたら奏の携帯が鳴った。
「…誰だ?こんな時に…」
奏は不機嫌に手を伸ばして携帯を取る。
「あ?長坂さんだ。」
あたしはドキッとした。
奏は、「はぁ…」とか
「いや…俺はもう…」とか曖昧な返事を繰り返した。
「あ…ちょっと待っててもらえますか?」
奏は受話口を指で押さえてあたしに顔を向けた。
「なぁ千秋。明日なんだけど…野球の試合があるらしいんだけど、人数足りないらしくてさ。
長坂さんが俺に助っ人として出てくれないかって言ってんだけど…」
「…い、いいよ!あたしの事は気にしなくていいから!!
朝家戻るし…。たまには野球やって来て!!」
と、模範解答みたいな返事をした。
「は?お前も一緒に連れて行きたいんだけど…?」
「え?あたしも?」
「そ。可愛い彼女を見せびらかしたいし♪
いいよな?」
奏はあたしの返事を待たずに長坂さんにオッケーの返事をした。
複雑…
だって、みんな元カノを知ってるんだもん。
今カノのあたしを見て、比べたりするんじゃないかな…
ヤダな…
やっぱり断ろ…
「ね、奏?やっぱりあたし…「絶対連れてくから」
「拒否権なしだからな?」
あたしは何も言わずにキッチンに向かって、麦茶を飲んだ。
奏はいつもと変わらない様子で、
「あ!俺にもお茶!」
と言った。
あたしは、お茶の入ったコップを奏に手渡して、リビングを出た。