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奏と家を出てグラウンドに向かう。
グラウンドは河川敷にあって、奏の家からすぐ近く。
グラウンドにはもうたくさんの人が集まっていた。
「お!奏!久しぶりぃ!!」
みんなが奏に声を掛ける。
「お久しぶりです」
奏もみんなに声を掛ける。
みんなは、奏の後ろを歩くあたしに気付くと
「彼女?」と。
「あ、はい。俺の可愛い彼女♪」
「はじめまして。千秋です。」
「ちあきちゃん?よろしくね♪」
「なんだよ!奏!こんな可愛い彼女連れて来て〜見せびらかしに来たのかよ〜」
みんなが冷やかす。
「あ!ばれました?可愛いっしょ?コイツ♪」
奏はわざとあたしを抱きしめる。
「おいおい…奏。お前足腰大丈夫かぁ??」
みんなが冗談を言って場を和ませてるのがわかる。
あたしはニコニコするだけだった。
「千秋ちゃん?」
振り向くと女の人が話しかけてきた。
「こっちのベンチ座ってね♪」
「あ、はい。ありがとうございます」
「私、俊…あ…長坂の彼女で、サキ。よろしくね」
「はい。よろしくお願いします…」
「奏の彼女が来るって聞いて、どんな子だろ〜って思ってたの♪
やっぱり可愛い子だったわ♪」
サキさんはニッコリ笑った。
「いえ…そんな…」
「奏が元気になって安心した…」
「えっ?」
「…あ。なんでもないの!奏の野球やってる姿見たらビックリするよ??」
「はい!楽しみです♪」
あたしは笑顔で答えたけど…
サキさんの、
「奏が元気になって安心した…」
って言葉がひっかかっていた。