恋愛LEVEL


奏とあたしは打ち上げには参加せずに帰宅した。



奏は何もなかったかのようにあたしに接する。


あたしもいつも通りに接した。



「あ。あたし、ユニホーム洗濯するからお風呂入っちゃって!」


「お〜そうするわ♪」



奏は脱衣所でユニホームを脱いでバスルームへ。


あたしは脱衣所にある洗濯機の前でユニホームを手に取る。…


バスルームからシャワーの音が聞こえたのを確認して、ユニホームを洗濯機に放り込みながら…

声を殺して泣いた…



なんで泣いたかなんて自分でわからない…


悲しい訳ではない。



どちらかというと、悔しかった。




−−−−−−−


奏がバスルームから出てきた。


あたしはリビングでテレビを見ている。



「あぁ〜久々に疲れたぁぁ!!たまには身体動かすのも悪くないな♪」



あたしはテレビに夢中なフリをした。


「って千秋、テレビに夢中すぎ!」

奏はあたしの髪の毛をツンと引っ張った。


「…あ、ごめんっ!」



…なんてわざとらしいんだろ、あたし。




「…今日ごめんな?付き合わせて。」


「…いいよ!楽しかったし!」


「…ん…てか。嫌な思いさせたし…」


「……」




「…千春が例の元カ…「…言わないで!聞きたくないから…」



「…わりぃ。」




あたしから言いたい事はたくさんある。


けど、絶対泣いてしまう。
奏を困らせる…




そんな時。
二人の沈黙を破るように

あたしの携帯が鳴った。



あたしの携帯は、奏のすぐそばにあるテーブルの上でバイブする。




奏はあたしの携帯を手に取り、

はぁ〜とため息をつく。



「元カレから電話みたいだよ?」


あたしに手渡した。



あたしは携帯を見つめたまま。



「…出ればいいじゃん?」


明らかに奏は機嫌が悪い。


「いいよ、別に…」


あたしは携帯を自分のバッグに入れようとした。


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