恋愛LEVEL


奏と別れた…という噂はあっという間に広まったし、夏休み前という事もあって、あたしは、最近よく告白をされていた。



簡単に「はい、わかりました。付き合います」なんて言えないし…


お断りするのも辛い…




あたしは、ローファーに履きかえて、校庭にでた。


あまりにも陽射しが強くて、俯いた。




後ろから二つの足音がする。




「お♪千秋〜!」



振り返るとリョウ先輩と奏がいた。




あの日以来、奏には会ってなかったから、どういう顔をしていいかわからない…



「……」



「……」



「俺達今から寄り道するけど、千秋もどう?」



リョウ先輩…空気よんでよ。



「あたしは…帰ります」



「えぇ?!いいじゃん!!行こうよ!」



リョウ先輩は無理矢理あたしの手を引く。



「…俺帰るわ」

奏はそう言うと、あたしとリョウ先輩の横を通り過ぎて行った。




「奏!!待てって!!」



リョウ先輩はあたしの手を掴んだまま奏の元に走った。




「お前も行くの!いいよな?千秋?」



あたしは「別に…」と答えた。




−−−−−−−


三人でファストフード店に入った。



久々に奏の顔を見た。



胸の奥がキュンとする。



今すぐに触れたい…


抱きしめて欲しい…



なんて考えてしまう。




「おっ!ちょっとツレから電話!」

リョウ先輩が携帯を持って席をはずす。




< 75 / 104 >

この作品をシェア

pagetop