恋愛LEVEL
奏と別れた…という噂はあっという間に広まったし、夏休み前という事もあって、あたしは、最近よく告白をされていた。
簡単に「はい、わかりました。付き合います」なんて言えないし…
お断りするのも辛い…
あたしは、ローファーに履きかえて、校庭にでた。
あまりにも陽射しが強くて、俯いた。
後ろから二つの足音がする。
「お♪千秋〜!」
振り返るとリョウ先輩と奏がいた。
あの日以来、奏には会ってなかったから、どういう顔をしていいかわからない…
「……」
「……」
「俺達今から寄り道するけど、千秋もどう?」
リョウ先輩…空気よんでよ。
「あたしは…帰ります」
「えぇ?!いいじゃん!!行こうよ!」
リョウ先輩は無理矢理あたしの手を引く。
「…俺帰るわ」
奏はそう言うと、あたしとリョウ先輩の横を通り過ぎて行った。
「奏!!待てって!!」
リョウ先輩はあたしの手を掴んだまま奏の元に走った。
「お前も行くの!いいよな?千秋?」
あたしは「別に…」と答えた。
−−−−−−−
三人でファストフード店に入った。
久々に奏の顔を見た。
胸の奥がキュンとする。
今すぐに触れたい…
抱きしめて欲しい…
なんて考えてしまう。
「おっ!ちょっとツレから電話!」
リョウ先輩が携帯を持って席をはずす。