恋愛LEVEL
あたしの高校は、割と自由な校風の共学。
学校の前に着くと、何か違和感を感じた。
「なんだろ…なんか…足りないような」
その違和感が何かわからないまま正門に。
正門にはお決まりの「入学式」の看板。
みんな、その看板前で写真を撮っている。
あたしも携帯で撮っておくか…
「カシャ」
と、携帯を構えて撮った時、看板ではないモノが写った。
「あ…」
その写ったモノに目をやると
「あ…わりぃ」
そこには、茶色くてちょっと短い髪を無造作にくしゃっとした背の高い男の子がいた。
整った顔に思わずみとれてしまう。
「聞いてる?」
その言葉にハッと我にかえる。
「…あ、はい。大丈夫です」
あたしは驚いたと同時にさっきの画像を保存してしまっていた。
「じゃぁね、一年生」
その人はそのまま学校の中に入って行った。
シャツのボタンを3つくらい外して、ズボンの右足の裾をふくらはぎまでたくし上げて…
「何年生だろ…」
あたしはそんな事を思いながら校舎に入った。
1−1。
あたしのクラス。
廊下に張り出された出席簿で番号と座席を確認する。
「ち〜あき♪」
声の方へ振り向くと、中学からの友達、ユリがいた。
「わぁぁ♪ユリもしかして同じクラス?」
「そだよ〜♪よろしくね♪ってか、千秋、髪型変えたんだね!フワフワ可愛いよ♪目立ってるって気付いてた?」
「え゛?」
あたしは周りを見た。
確かに…注目されてる気がする。
その時、頭をガシガシされながら
「バカか!それは二人ともだって」
ガシガシする手の持ち主を見ると、そいつも同じ中学の太一。
「太一も同じクラス?」
「そそ♪俺も一組。
雷太に千秋の監視役頼まれてるし♪」
「監視って…太一はユリの監視だけしときなよ〜ユリ可愛いからさぁ」
あたしはニヤっとユリを見る。
ユリはハハハ〜と笑い飛ばした。