恋愛LEVEL


「慎太郎!愛想悪いなぁ。
ごめんなさいね?慎太郎、照れちゃって…。顔もスタイルもいいんだから、愛想よくしたらいいのに…」



山下君をチラッと見た。

確かに。
背高いし、180くらいあるんじゃないかなぁ…
おまけに綺麗な顔…


あたしの視線に気付いたのか、バチっと目が合う。


あたしは慌てて視線を外した。



−−−−−−−


ランチタイムになると、続々とお客さんが入ってくる。

4人掛けテーブルが3つ、カウンターに8席…しかないから、すぐに満員。


お客さんはほとんど大学生だった。
おまけに女の子ばかり…

あたしは奏が心配していた事を思い出して、ホッとした。



−−−−−−−

14時になり、あたしはあがらせてもらう。


「初日とは思えないくらい仕事こなしてくれてありがとうね♪
ランチ作ってあるから裏で食べてって♪」


桂子さんはあたしをスタッフルームを指さした。


6帖程の部屋に入ると、山下君が携帯を触りながらランチを食べていた。


「お、お疲れ様です。」


「お疲れ」


気まずい…


あたしも携帯を出す。

[今終わってランチいただいてるからあと少ししたら出るね!]


奏にMailをして、クリームソースがかかったオムライスを食べた。


「美味しい…」


思わず口に出たのにも気付かずにパクパクと食べた。


クククッ…


「????」

あたしは山下君を見る。


「あぁ!もうダメだ!!あんた可笑し過ぎっ!!」

山下君は涙を浮かべて笑う。


「あんたオムライス食べてる間、どんだけ百面相してんの?美味しい×2って…」


「えっ?!」

あたしは顔が赤くなるのがわかった。


「すげぇ美味そうに食ってたから、邪魔しちゃ悪いと思って堪えてたけど…」


「/////」


「そういうのいいよ♪素直で。…って高校生?」


「は、はい。高1です。」


「俺はすぐそこの大学の1年。1ヶ月だけみたいだけど、よろしくな。」


「…はい。」



こうして、バイト一日目が終わった。
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