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注文を厨房に通して、ふと山下君を見ると、バチっと目が合った。
「あれ、彼氏?」
「え?あ、あれは彼氏の友達です」
「…チャラい」
「はぁ…確かに…」
「彼氏もチャラいの?」
「いや…チャラくはないです。」
「ふぅ〜ん」
山下君はそれだけ言って、厨房に入って行った。
−−−−−−−
「リョウ先輩、来てくれてありがとう!」
「ん!また来るわ♪次は奏連れて♪」
「はい!」
すると、急にリョウ先輩はあたしに近付いて、耳元でボソッと言った。
「アイツに口説かれないよ〜にね♪」
「え?」
リョウ先輩はあたしの頭をぽんぽんとして、そのまま店を出た。
−−−−−−−
いつものようにスタッフルームで遅いランチをいただく。
山下君は携帯をいじりながら言う。
「彼氏いくつ?」
「高2です。」
「カッコイイ?」
「へ?はい…カッコイイと思います。」
「俺より?」
「へ?」
「優しい?」
「は、はい。優しいです。」
「…ふぅ〜ん。なぁ、連絡先教えて?」
山下君はテーブルに肘をついて、携帯越しにあたしを見る。
大きく綺麗な目があたしを見る。
「…仕事休む時とか連絡したいし」
「あ、は、はい。」
あたしは携帯を出して、赤外線で送った。
「今からMailしとくから。」
「あ、はい。」
あたしは携帯画面を見つめる。
Mail受信のマークが点滅した。
「あ!来ました×2!」
あたしはMailを開いてかたまった。
[090********
今度デートしない?]
バッと山下君を見る。
山下君は、真剣な顔で視線をあたしに向けたまま。
あたしは、その大きく綺麗な目から目をそらせなかった。