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無事に入学式も終わり、
担任から連絡事項を聞いて即解散。
ユリと太一は先に帰って行った。
あたしは、下駄箱でローファーに履きかえて携帯を見る。
「雷太にMailしとこっと」
[今終わったよ〜雷太は?今日後で会える?]
送信ボタンを押そうとした時、
誰かに髪の毛先をクルクルとされたのに気付いて、携帯いじる手を止めた。
振り向くと、今朝の人だった。
「これ…天パ?」
「え?!あの…」
あたしは状況が掴めず、オロオロするだけ。
「これ…天パ?」
同じ質問をされる。
「い、いえ…違います…けど」
「ふぅ〜ん。髪傷むじゃん」
「はぁ…まぁ…」
何この人…あたしは怪しむ目で見てたと思う。
「なぁ?お前名前は?」
「あたしですか?」
「お前に聞いてるんだからお前しかいないだろ。」
フッと鼻で笑われる。
「…山瀬千秋…ですけど」
「千秋か。覚えた。俺は中嶋奏(なかじまそう)…あ。2年ね。」
「はぁ…」
「千秋さ、この学校にどこか変な所あるの気付いた?」
変な所…かぁ。
そういえばなんか違和感感じてたなぁ。
「…なんか違和感はあったんですけど…わからなくて。」
「俺も入学式ん時になんか違和感感じててさぁ。やっと今日気付いたんだけど…教えて欲しい??」
「…はい」
「これ…」
中嶋先輩が見せてくれたのは、桜の花びらだった。
「あ!!!そっか!!!」
「そういう事」
あたしは下駄箱から小走りで校庭に出た。
校庭を見回して改めて納得した。
「桜の木がない…」
「おかしいよな。普通学校に桜ってあるだろ?定番だと思ってたけど」
「確かに…」
「(サクラ散る)は縁起悪いからだな!ここ進学校だし。」
「えっ?!進学校なんですか?!」
「おい×2。知らずに入ったのかよ…大変だぞ?毎日お勉強だし♪」
「…知らなかった…」
「まぁ♪頑張れ♪千秋。じゃぁ俺行くわ。補習あるから」
中嶋先輩はそう言いながら校舎に入って行った。
その姿を見送り、さっきのMailを雷太に送信した。