恋愛LEVEL


「着いた」


山下君は器用に駐車場に車をとめた。



大きい一軒家のインターホンを押すとすぐに桂子さんが出て来た。



「いらっしゃい♪あがって×2♪」



あたしは山下君に続いて中に入った。



中に入るとテーブルいっぱいに料理が並んでいるのが目に入る。



「わぁぁぁぁ!!凄い!!」


あたしは目を輝かせて言った。


プッ!


「お前は食いモンみるとすげぇ嬉しそうだよな」


「酷い!そんな事ないです!!」


「だってこの間もオムライスを…」


「あぁぁぁ!!言わないで!」


クスクス…



「あなたたちいつの間に仲良くなってたの?」



「「仲良くないです!!」」



「声も揃っちゃって♪」



「冷やかすのはその辺にして、食べようか」


マスターが笑いながら言った。



あたしは山下君を見た。


山下君もあたしを見て、優しい顔で笑った。



…あんな顔初めて見た…


あたしはプイっとして、料理をいただいた。




−−−−−−−


食事が終わり、コーヒーをみんなでいただく。

仕事の話、学校の話、恋の話…話は尽きなかった。



「あら…もうこんな時間」


時計を見ると21時をまわっていた。


「あたし、そろそろ…」


「そうね…イケメン君が待ってるしね♪」


「慎太郎、送ってあげて!!」


「あ、はい」


「あ、あたし、一人帰れますから大丈夫です!!」


「ダメよ!女の子を一人で帰せないわ…っね。慎太郎も同じ方向だし…」


「…じゃぁ…お願いします。あ!あたし、ちょっと電話入れてきます!」



あたしはリビングを出て奏に電話する。


「…あ!あたし。今から帰るから…うん。大丈夫…じゃぁ。」



「千秋!行くぞ」


電話を切ったあと、
山下君があたしを呼んだ。



あたしと山下君はマスターと桂子さんに挨拶をして、家を出た。
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