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山下君の車に乗る。
行きと同じ洋楽が流れる。
「マスターと桂子さん、ホント仲良いいんだなぁ〜♪」
あたしは二人を思い出して言った。
「だな。あの二人が喧嘩してるの見たことないしな」
…あたしは奏とよく喧嘩しちゃう…。
まぁ。すぐ仲直りするからいいんだけど…
あたしは助手席から外を見ながら奏の事を考えていた。
「…なぁ。ちょっと寄り道してかね?」
「え?」
山下君はあたしの返事なんて聞かずにどこかに車を走らせた。
−着いた先は、高台にある公園だった。
車を駐車場にとめる。
「…おいで。」
山下君はあたしを外に連れだす。
「うわぁ…綺麗…」
そこには360度広がる夜景があった。
「凄いだろ?ココ。」
「すごい…こんなの見たことない…」
「よく来るんだ、俺」
「そうなんだ…」
「ココに連れて来たのは千秋が初めてなんだぞ?」
「…え…?」
「だから。お前が初めてだって。」
「……」
「黙るなよ…」
「だって…」
…なんかあたしが特別…みたいな言い方されたら…
「俺さ、先生と付き合ってたって言ったじゃん?
相手、俺より7つも上でさ…。俺、スゲェ無理してたんだ。」
「無理?」
「大人の男にならなきゃなぁって。
仕草も、会話も、セックスも無理してさ。結局、しんどくなって来て…」
「……」
「…俺さ、この間お前の彼氏見た時、スゲェ嫉妬した。」
「コイツがお前を独り占めしてんだ…って思ったら…」
「…ちょっ、ちょっと待って??」
山下君は今なにを言ってるの??
「…俺、お前を好きになってる…」
そう言うとあたしのほっぺをムギュっと引っ張った。
「イ、いひゃい…」
「クククっ。やっぱりお前、可愛いわ。」
そう言ってほっぺから手を離してくれた。
「好きだから…」
気が付いたらあたしの唇は山下君のと重なっていた。