ひなたぼっこ~先生の、隣~【続編】
「あんたさ俺に殴られて、窓ガラス被らされて、襲われても平気なわけ?」
「え…あ、うん?」
そういえば、そうだ。
色々されたのに、岩瀬くんに対して恐怖心がない。
「…変な女。…とりあえず、腕離せよ」
「あ、ごめん」
掴んでいた腕を、パッと離した。
「あんたの目に俺がどう映ってるのかは知らないけど、…叩いたことは、謝るよ」
目を合わせず、そっぽを向いたまま岩瀬が言った。
"…ごめん"
声に出して言ったのかはわからないが、横顔の口の動きで読み取れた。
「…ううん。大丈夫」
そう答えると、岩瀬がやっと目を合わせた。
「やっぱ、変な女」
ふっと笑って、そう言った岩瀬の表情は今まで見たことがないぐらい、柔らかい表情だった。